昨夜からの雪で本日は
クローズ。真冬のような
1日です。
今回は「
歴史に残る名レッスン」
1966年、惜しくも飛行機事故で早逝した
トニー・レマ。スイングは華麗にして力量感に溢れ、亡くなる
2年前、
セントアンドリュースで行われた全英オープンでは、
たった
1日の練習ラウンドで初体験のコースを把握、
見事に
優勝を攫った巧者でした。
ある日、アメリカの運道具メーカーから「
ゴルフレッスン」
の企画を持ち込んだところ、
トニーは次のように言った。
「人にゴルフを教えるのは、文明人にジャングルでの
生き方を教育する事より難しいことだ」
「相手のすべてを把握しなければ、ゴルフは教えられない
スポーツ。 年齢、性格、肉体的長所と短所、知能指数、
現在の環境、ゴルフに対する興味の度合い、少なくとも
以上のことを知った上でなければ、その人に合ったレッスンなど、出来るものではない。 私には
ボブ・ファーガソンの真似など、とうてい不可能だ」
その彼が口にした
ボブ・ファーガソンとは
1880年から全英オープンに
3連覇したプロ。その後、マッセルバラで、プロ兼グリーンキーパーをやっていたが、とにかく「
教え手」 寡黙ではあったが、
寸言に爆発的効果があるとの評判が高く、各地から多くのゴルファーが彼の門を叩いた。
セントアンドリュースのプロ、
アンドリュー・カーカルディに授けたレッスンが、ゴルフ史の「
二大レッスン」の一つと
呼ばれます。
カーカルディはフックに悩んでいた、大事な局面になると
決まって左に急カーブ。原因が思いつかない。
名人を迎えた名人は、半日間というもの、ひと言も物を
言わずに、ジッとスイングを見つめていた。夕方になって
ようやく
ボブ・ファーガソンの重い口が動いた。
「左のグリップを、
5ミリほど左にずらしてくれないか」
フックグリップをスクエアに直したとたん、不意にボールの
力が増した上に、
フックがぴたりと止まった。半日に
わたる観察から得た結論が、なんと
5ミリの話だった。
のちに評論家の
ヘンリー・ロングハーストは、
ボブ・ファーガソンの人物像について
「彼こそ
レッスンプロの始祖である」と絶賛した。
次回は
サム・スニードと
ウォルター・へーゲンの
「歴史に残る名レッスン」のお話です。
マスター室 大島
★★★ ご来場をお待ちしております。 ★★★