また、避難生活されておられる方々には、どうかお体に充分用心されますよう、お祈りしております。
さて、先週に続いて「魔法の打球」のお話。
彼、ハリー・バードンは7本だけのクラブで固いガッタパーチャ(当時使用していたボール)を操ってきた。
持てるクラブの中でロフトが最も開いているものでさえ、今風に言えば7番アイアン程度。
このクラブを駆使して、息をのむほど変化に富んだアプローチの数々を披露してきた。
それにしても、サンド・ウェッジも持たず、せいぜい7番アイアン程度のクラブを手に、垂直にえぐれたバンカーからボールを脱出させてピンに寄せるためには、どれほどの技術と集中力が必要であったことか。
100年前の稚拙なクラブとボール、当時のコース状況下での「71」というスコアがどれほど凄いものか。
彼は、誰もが世話になっているオーバーラッピング・グリップの最初の考案者としても知られる。
別名「バードン・グリップ」は、ゴルフというゲームを大きく進歩させる一つの要素だった。
1870年5月9日、英国ジャージー州のグルービルにあるゴルフ場近くの小さな家で生まれ、生活のため6年間キャディとして働き、このコースの茶色の壁には、彼の晩年の写真が貼られてあった。
まったく無駄な力を入れず、ゆったりとしたタイミングでボールを打つのが彼のゴルフ。
ロングショットの天才と聞くと、瞬時に激しくクラブを振る姿が想像されるが、彼は一度も無茶振りをしたことがない。
どちらかというと、振り遅れ気味にクラブを振るほうがうまくいくと彼はレッスン書に書いている。
「打ちに行ってはいけない。その場に頭を留めて、ゆっくりと振り抜きなさい。とくに距離の長いショットは、スローモーションのように振るのが理想的です」
マスター室 大島
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